額縁ご購入時の注意点
額縁に入れる絵画には大きく2つあります。
一つはキャンバスやパネルに描かれたもの、もう一つはシートに描かれたものです。
洋画に用いるキャンバスは木枠に麻布を張ったもので、縦・横の比率からS・F・M・Pの4種類に分かれ、さらに大きさで0号から200号以上のものまであります。
よく目にするSMサイズとは1号と2号の中間サイズでFにのみあります。
Sは正方形のSquareの頭文字ですが、F・M・Pはフランス語の頭文字からとられたものです。
F(人物 / Figure)
M ( 海 / Marine)
P (風景 / Paysage)
(絵画クラブ絵筆より引用)
縦横の比率がそれぞれを表現するのに最適と考えられたのでしょう。
しかし、同じFでも号数が異なると縦横の比率は微妙に変わってきます。
また同じF15号の木枠でも、布地を張ったキャンバスと和紙を張った日本画パネルでは、キャンバスの方が布地の厚み分、縦横ともに数mm大きくなりますので、額の内寸が異なります。
したがって、額を注文するときは、棹形状、色を選んだあと「F8号キャンバス用」、「F10号日本画パネル用」などと指定します。
注意点は他にもあり、作者がご自分で木枠を組んで作られたキャンバスなどではわずかに台形や平行四辺形になっている場合や、木枠の厚みが25mmを超えているものもあり、このような場合はキャンバスやパネルを持ち込んで額縁を作ってもらう必要があります。
また、これらは日本サイズの規格でのお話ですが、海外ではフランスサイズや国際サイズといった規格があり、日本サイズと若干異なります。
海外で購入した絵画の額交換や額無しで購入された絵の額装を行うときは、絵を持ち込んで相談されるのが間違いありません。
シートに描かれたものはマットで固定することが多く、棹の選定のみならず、マット幅や色、マットの厚みなど、絵を引き立たせるための工夫が必要です。
また、画紙の種類や厚みによっては裏打ちを施さないと部分的に縮んで、一年もしないうちに作品が波打ってしまう場合があります。
やはり同様に絵を持ち込んで相談されるのが間違いありません。
サイズとしては、これらの他に、ポスターサイズ、水彩画サイズ、色紙サイズ、書道サイズ、水墨画サイズ、掛軸サイズ、ジグソーパズルサイズ、叙勲・褒章サイズなどがあります。
この他、ご自分の趣味の作品で厚みのある、絨毯、手拭、刺繍、折り紙やちぎり絵、ドライフラワー、ブローチ、陶器皿などは、深みのある箱型の額にセットしますが、固定方法が難しいケースがありプロに相談しましょう。
箱額額装の一例
(額縁のタカハシより引用)